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菩薩(ぼさつ)ってなに?
と思った皆さまへ。結論
仏像の種類の1つで、二番目に偉い方々だよ。
如来めざして修行中なんだ。
この記事では菩薩の成り立ち、言葉の意味、種類、有名な像などを解説します。
イラストや図解でわかりやすくお伝えしますね。
菩薩は人気の仏さまで、各地にすばらしいお像がたくさんあります。
記事を読んで菩薩のことがわかると、寺社めぐりや仏像鑑賞が楽しくなりますよ!
それではどうぞ!
仏像の分類と菩薩
冒頭の繰り返しにですが
仏像の種類は大きく4つに分けられ、菩薩は序列2番目。
一番偉い如来をめざして修行しながら人々を救う仏さまです。
悟りを開いた如来に対し、まだ修行中の菩薩。人間に近いようで、ちょっと親しみを感じますね。
仏像5種類の概要は別記事にまとめました、ご興味のある方はどうぞ。
菩薩という言葉の意味
「菩薩」ボサツ。日常で聞かない言葉ですよね。
語源は古代インドの言葉
ボーディ・サットヴァ(bodhi-sattva)
サットヴァ → 人
つまり「悟りを求める人」という意味になります。
ボーディ・サットヴァの発音は
古代中国で「菩提薩埵(ぼだいさった)」と訳されました。
「菩提薩埵」略して「菩薩」です。
菩薩は出家前のお釈迦さま、つまり王子さま!
上に書いたとおり、菩薩は「悟りを求める人」。
それって、仏教では
出家前のお釈迦さま!
お釈迦さま(当記事では釈迦と記します)は紀元前5世紀ごろの人。
北インドの一部族、釈迦族(しゃかぞく)の小国の王子でした。
29歳で出家して仏教を開くことになりますが
出家以前の王子時代の釈迦が
「悟りを求める人=菩薩」
ですから菩薩は、きらびやかな王子様ファッションに身を包んでいます。
見た目の特徴
出家前の釈迦(王子様)がモデルで、美しくドレスアップしています。
②宝冠(ほうかん)…美しい冠
③瓔珞(ようらく)…ネックレス
④臂釧(ひせん)…上腕につける飾り
⑤腕釧(わんせん)…ブレスレット
⑥天衣(てんね)…ショール
⑦裳(も)…巻きスカート
持物(じもつ)といって、手に何か持っている事も多いです。
よく見るのは蓮華の花や水瓶(水入れ)。
他にも杖・数珠・宝珠・剣・弓・縄など、さまざまな持物がありますよ。
いろんな種類ができていく
菩薩の種類は大きく2つに分けられます。
①菩薩
②観音菩薩
それぞれじつに種類が多いですが、有名なものをご紹介します。
①菩薩5選
弥勒菩薩(みろくぼさつ)
釈迦如来の死後56億7千年後に現れて如来となり、人々を救う仏さま。
広隆寺(京都)のお像が有名です。
地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
釈迦如来の死後、上の弥勒菩薩が現れるまでの間(つまり56億7千年間!)
地獄に落ちた人々を救う仏さま。
「お地蔵さん」として身近な存在ですね。
地獄の六道(地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天道)をめぐり人々を導きます。
六波羅蜜寺(京都)のお像などが有名です。
文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
「知」を司る菩薩。
「三人寄れば文殊の知恵」の「文殊」はここから来ています。
獅子に乗っている事が多い仏さま。
安倍文殊院(奈良)のお像が有名です。
普賢菩薩(ふげんぼさつ)
上の文殊菩薩は「知」の菩薩でしたが
こちら普賢菩薩は「行(実践)」のみほとけ。
あらゆる時と場所に現れ、人々を導き救います。
白い像に乗っています。
女性も極楽浄土へ行けると説く「法華経」を守る菩薩で、平安時代以降、女性の信仰をあつめました。
大倉集古館(東京)のお像が有名です。
文殊菩薩・普賢菩薩は釈迦如来の両脇を守り
「釈迦三尊像」としてまつられています。
方広寺(静岡)に美しいお像があります。
日光・月光菩薩(にっこう・がっこうぼさつ)
こちらは対でまつられる二尊の菩薩。
名前の通り太陽と月の光の象徴で、薬師如来の子供とされています。
「薬師三尊」として親子三尊でまつられる事の多い仏さまたちです。
薬師寺(奈良)のお像が有名です。
②観音菩薩5選 プラスα
「観音さま」と呼ばれ、広く信仰を集める観音菩薩。
「観音」とは何のことなのか?はっきりとはわかりませんが
経典「法華経」にこんな意味の一節があります
「苦しむ人々が一心にその名を唱えれば、ただちにその音を観じて解脱させる」
「音を観じて」の「観音」といわれています。
有名な種類をいくつかご紹介しますね。
聖観音(しょうかんのん)
いろんな姿に変化する観音菩薩の基本形。
薬師寺(奈良)のお像が有名です
この聖観音をもとに、さまざまな「変化観音」が考え出されました。
以下ご紹介していきますね。
十一面観音(じゅういちめんかんのん)
11のお顔であらゆる人々を見守る観音菩薩。
頭の後ろにも小さなお顔がありますよ。
渡岸寺(滋賀)のお像が有名です
千手観音(せんじゅかんのん)
手が千本ある観音菩薩。(実際の仏像は手が42本のものが多いです。)
手のひらには全て目があり様々な道具を持ち、頭には11のお顔があり、無限の世界の人々を見守っています。
葛井寺(大阪)のお像が有名。手が千本ある貴重な作例です!
如意輪観音(にょいりんかんのん)
願いを叶える「如意宝珠」と、煩悩を砕く「法輪」を手に持っています。
悩ましい座り姿が魅力的な観音菩薩です。
観心寺(大阪)のお像が有名です
馬頭観音(ばとうかんのん)
菩薩には珍しく、恐ろしいお顔の仏さま。
頭に馬が載っていて、煩悩を馬のようにむさぼり食うのだそうです。
観世音寺(福岡)のお像が有名です
馬頭観音は、江戸時代ごろに家畜の供養塔として石仏が全国各地に建てられました。
🐴趣味の石仏No572群馬県片品村音昌寺の馬頭観音です。木や草が生い茂り、石仏達があちこちに祀られ、通路に沿って石仏が綺麗に並べて置かれています。特に管理されておらす、苔が石仏の半分を覆い周りの草木の花等に囲まれた姿を見ると、あるがままの馬頭観音も素敵です。😊 pic.twitter.com/yWFRiT0kmw
— 内田正教 (@80NYtStPgriB1M2) August 10, 2022
三十三観音(さんじゅうさんかんのん)
このほか日本では、人々の多様な願いに応えるため33もの姿に変化する「三十三観音」も考えだされました。
日本人は観音さま大好きだったのですね。
まとめ、参考文献
以上、ざっと菩薩の種類をみてきましたが
多い…!
ここに乗らないけれど、もっとあります。
菩薩を知って寺社めぐりをすると、全国津々浦々で菩薩がどれだけ信仰をあつめてきたかよくわかり、とてもおもしろいです。
ぜひたくさんの菩薩をおまいりしてみてくださいね。
仏像の種類をもっと知りたい方には、こちらがおすすめです。
最後までお読み頂きありがとうございました。