京都で仏像をたくさん見たいなあ、
どこがいいんだろ?
おまかせ下さい!
私は京都の芸大の古美術見学授業で
いい所をいっぱい教えてもらったよ!
初心者だった私が大ハマりしたので
誰でも楽しめる所ばかりです。
また国宝・重要文化財などがたくさんで
目が肥えた方も、何度も訪れたくなるにちがいありません。
この記事では「行きやすさ」を重視して
以下のようにご紹介します。
- 特別公開ではなく、いつでも拝観できるお寺を掲載 ※行事などで見られない事も
- JR京都駅からのアクセスが簡単な順にご紹介
- マップつき
ざっと読んでいただくと
京都で仏像をたくさん見られるおすすめスポットがわかり、お出かけの計画が立てやすくなりますよ。
仏像に興味を持ったみなさまが、気軽にお出かけできますように…✨
それではどうぞ!
東寺(とうじ)
どんなお寺?
正式には教王護国寺といいます。
796年に官寺(国の寺)として建てられた、現存する平安京の遺構です。823年に空海に託され、密教美術の宝庫となりました。
京都駅から見える近さ!世界遺産で人気での名所です。
古美術見学授業で最初に行くお寺なので、初心者の方におすすめです!
文化財件数※ …国宝8件、重要文化財11件
おもな鑑賞ポイント
【講堂】
平面の曼荼羅を立体(仏像)に表した「立体曼荼羅」が必見。
弘法大師空海がプロデュースした31体もの仏像が立ち並び、神秘の世界にいざなわれます。
イケメンで名高い、国宝 帝釈天像も要チェック!
ほかにも金堂や宝物館で、たくさんの仏像に会えます。(宝物館は春と秋に公開)
マップ・アクセス
〒601-8473
京都府京都市南区九条町1
🚃JR「京都」駅、徒歩15分
🚃近鉄「東寺」駅、徒歩10分
三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)
どんなお寺?
正式には蓮華王院といいます。
1165年、後白河上皇の離宮に平清盛の資材協力で建てたのがはじまり。
33という数字は、観音菩薩が人々を救うため変化する数。
三十三間(120メートル)の長〜いお堂に、1001体もの観音菩薩や諸像が立ち並びます。
文化財件数※ …国宝4件、重要文化財1件
おもな鑑賞ポイント
【本堂(三十三間堂)】
・千手観音坐像(国宝 鎌倉時代)
・千手観音立像(国宝 平安〜鎌倉時代)←こちらが1001体もある仏さま!
長〜いお堂は大大大迫力。脳内トリップで宇宙を歩いているようです。宇宙行ったことないけど。
1001体の観音像以外にも!
・二十八部衆像(国宝 鎌倉時代)
・風神・雷神像(国宝 鎌倉時代)
写実的で美しく、躍動感がある仏さまたちです。
マップ・アクセス
〒605-0941
京都府京都市東山区三十三間堂廻り657
🚌京都駅よりバス10分(市バス[100・206・208])バス停「博物館三十三間堂前」下車すぐ
🚃京阪「七条」駅、徒歩7分
京都国立博物館
どんな所?
お寺ではありませんが、素敵な仏像スポットですのでご紹介。三十三間堂のすぐ近くです。
平常展示でも特別展でも、よりすぐりの仏像に会えます。
おもな鑑賞ポイント
2014年にできた「平成知新館」は、ニューヨーク近代美術館なども手掛けた建築家谷口吉生氏の設計。
近代的なかっこいい建築と、古く美しい仏像との調和がみどころです。
マップ・アクセス
〒605-0931
京都府京都市東山区茶屋町527
🚌京都駅よりバス10分(市バス[100・206・208])バス停「博物館三十三間堂前」下車すぐ
🚃京阪「七条駅」徒歩7分
六波羅蜜寺(ろくはらみつじ)
どんなお寺?
疫病がはびこる平安京に空也上人が開いたお寺。951年創建といわれます。
平安~鎌倉時代の木彫仏像の宝庫。
教科書にのっている歴史上の人物や、カリスマ仏師 運慶・湛慶の肖像などがあります。
2022年にリニューアルしたきれいな宝物館で、たくさんの仏像を拝観できます。
文化財件数※ …国宝1件、重要文化財10件
おもな鑑賞ポイント
・空也上人立像(重文 鎌倉時代)
「南無阿弥陀仏」と唱えた声が小さな阿弥陀如来になったという伝承のお姿。
・平清盛坐像(重文 鎌倉時代)
上の空也上人像とあわせ、教科書で見たことがある人も多いのでは?
・地蔵菩薩坐像(重文 鎌倉時代)通称:夢見地蔵
作者は鎌倉期の有名な仏師「運慶」です。
他にも
・地蔵菩薩立像(重文 平安時代)通称:鬘掛地蔵
すらりと優美な立ち姿。手に髪の毛を持っていてドキリとする美しさです。衣には切金(金箔の細かい文様)も見られます。
・運慶/湛慶坐像
カリスマ仏師運慶と、息子の湛慶の肖像。
などたくさんの仏像に会えますよ!
マップ・アクセス
〒605-0813
京都府東山区五条通 大和大路上ル東
🚌京都駅よりバス13分(市バス[206])バス停「清水道」徒歩7分
🚃京阪「清水五条」駅、徒歩7分
🚃阪急「河原町」駅、徒歩15分
即成院(そくじょういん)
どんなお寺?
992年、恵心僧都が建立。那須与一の墓と伝わる石の塔があります。
毎年10月の「お練り供養」は、菩薩のお面の行列が練り歩く壮観な行事です。
観光客が少なめで、仏像とゆっくり対面できる穴場スポット。(ちょっと秘密にしておきたいくらい!笑)
文化財件数※ …重要文化財1件
おもな鑑賞ポイント
阿弥陀如来坐像および二十五菩薩坐像
(重文 平安時代)
26体もの仏さまたちが、極楽浄土からお迎えにいらした「来迎」のお姿。
来迎図の絵画は多いですが、仏像群が残っているのは珍しく、とても貴重です。
楽器を奏で、歌い、踊り、まるでオーケストラのよう!
やわらかな動きや楽しげな表情に魅了される事でしょう。
マップ・アクセス
〒605-0977 京都府京都市東山区泉涌寺山内町28 那須与市公墓所
🚕京都駅から、タクシーで5分
🚌京都駅よりバス14分(市バス[208])バス停「泉涌寺道」徒歩7分
🚃JR・京阪「東福寺」駅、徒歩10分
千本釈迦堂(せんぼんしゃかどう)
どんなお寺?
正式には大報恩寺といいます。
1221年、義空上人が開いたお寺。福笑いでおなじみの「おかめ」発祥の地。
応仁の乱など戦火の多い市街地にありながら、奇跡的に創建当時の本堂(国宝)などが残っています。
文化財件数※ …重要文化財6件
おもな鑑賞ポイント
鎌倉時代の有名仏師がつくった仏像の宝庫!
・快慶作、十大弟子立像(十体)(重文 鎌倉時代)
十人十色、個性豊かでイキイキとした表情が素晴らしい!
・定慶作、六観音菩薩像(六体)(重文 鎌倉時代)
写実的で美しい観音さまがズラリ!うっとり必至。
マップ・アクセス
〒602-8319
京都府京都市上京区溝前町
🚌京都駅よりバス30分(市バス[50])バス停「上七軒」下車
広隆寺(こうりゅうじ)
どんなお寺?
聖徳太子から仏像を賜った渡来人の秦氏が、603年に建立。平安遷都以前から存在する、京都最古のお寺です。
京都三大奇祭の一つ「牛祭」が毎年10月に開かれます。
文化財件数※ …国宝6件、重要文化財28件
おもな鑑賞ポイント
二体の弥勒菩薩が必見!
・弥勒菩薩半跏像(国宝 飛鳥時代)
通称、宝冠弥勒。国宝第一号に指定された、とても有名な仏像。
・弥勒菩薩半跏像(国宝 奈良時代)
通称、泣き弥勒。宝冠弥勒があまりに有名で見落とされがちですが、こちらも古く貴重で美しい仏像です!
他にもたくさんの仏像がありますよ!
マップ・アクセス
〒616-8162
京都府京都市右京区太秦蜂岡町32
🚃JR「太秦」駅、徒歩約13分
🚌京都駅よりバス35分(京都バス[73])太秦広隆寺前徒歩1分
平等院(びょうどういん)
どんなお寺?
1052年、藤原頼通が開いたお寺。
平安貴族の別荘地で源氏物語の舞台にもなった宇治にあり、平安貴族が憧れた「極楽浄土」の世界観に満ちています。
鳳凰堂は十円玉の絵柄として有名。世界遺産。
文化財件数※ …国宝2件(木造天蓋をのぞく) 、重要文化財1件
おもな鑑賞ポイント
・阿弥陀如来坐像(国宝 平安時代)
平安時代の仏師定朝の現存作として、大変貴重なお像。
定朝の作風は大流行し、京の都にはこの阿弥陀如来のように優雅で美しい仏像がたくさん作られました。
・雲中供養菩薩像(国宝 平安時代)
阿弥陀如来のまわりを舞う、小ぶりの仏さま。
境内のミュージアムに展示されるお像も含め、その数なんと52!
踊ったり楽器を奏でたり、全て違うポーズです。
マップ・アクセス
〒611-0021
京都府宇治市宇治蓮華116
🚃JR「宇治駅」徒歩10分
浄瑠璃寺(じょうるりじ)
どんなお寺?
1047年、義明上人が建立。極楽浄土を表現した庭園が有名。
京都といっても南端で、奈良観光に含めた方がいい場所です。
少ない交通の弁で山を分け入り、仏像に会えたときの感動はひとしおです!
文化財件数※ …国宝2件、重要文化財8件
おもな鑑賞ポイント
・九体阿弥陀如来坐像(国宝 平安時代)
平安時代、九体の阿弥陀如来を横に並べる様式がもてはやされました。
それが当時のまま残る唯一の遺構で、とても貴重です。
※九体阿弥陀は2018年から5年かけて修理中。2体ずつ修理に出張されています。9体全てを見られるのは少し先ですね。
・吉祥天立像(重文 鎌倉時代)
美しい彩色がよく残り、仏像界の美女として大変人気があります。
※こちらは秘仏で正月と春・秋の公開時のみ拝観できます。
・四天王立像(国宝 平安時代)
平安期の四天王で屈指の名作と名高い美仏。
現在は4体のうち2体がまつられ、もう2体は博物館にいらっしゃいます。
マップ・アクセス
〒619-1135
京都府木津川市加茂町西小札場40
🚌JR「加茂」駅よりバス22分(木津川市コミュニティバス [加茂山の家行き] )
バス停「浄瑠璃寺前」下車すぐ
補足説明
お出かけ前にご確認を(重要!)
いつでも拝観できるお寺をご紹介しましたが
行事や年末年始の休み、仏像が展覧会に出ている…などなど
仏像に会えない場合もあります。
お出かけの前に、公式サイトやお電話でご確認してみてくださいね。
文化財件数について(読み飛ばしOK)
文化財の数がお寺や仏像の素晴らしさを決めるわけでは、全くありません!
しかし自分が初心者だったころ「文化財を見て学びたい」と強く思っていたので、興味のある方もいるかと思って載せました。
記載した数は文化庁のWebサイト「国指定文化財等データベース」で、お寺さん所蔵の彫刻を数えたものです。https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/
正確であるよう注意していますが、間違いや情報が古くなることもございます。ご了承ください。
文化財件数は「1件=仏像が1体」ではなく
1体〜数十体、千体に及ぶこともあります!
また通常非公開や博物館寄託のお像もあり、すべての文化財を拝観できるわけではありません。
お出かけのご参考までに。
まとめマップ
全ての場所をまとめました。
平等院と浄瑠璃寺が遠いのがわかりますよね。
気軽にお出かけしちゃいましょう!
いかがでしたか?
国宝・重要文化財の仏像がたくさん見られる所をご紹介しましたが
このような鑑賞は、観察眼を養うのに向いてます。
たくさんの仏像のうつくしさは圧巻で
ぼーっと眺めていると、ゾーンに入るというか、脳の普段使っていないところが開くような感じがします。(おそらく、美術の世界で右脳モードといわれ直感が冴えわたる状態です)
その状態で、美術的価値が高いとされる仏像をたくさん見ていると
自分の中に「美しさの判断軸」ができてきます。
この軸があれば他のどんなものを見ても、ここが良いだとか好きだとか、色んな事がよくわかるようになります。
あらゆる鑑賞がどんどんおもしろくなり、人生が豊かになるはずです。
これは芸大の授業で観察眼をつちかった筆者の感想です。
ぜひ、気軽にお出かけしてみてくださいね!
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お出かけの前に仏像の種類を知っておくと、鑑賞がさらに楽しくなりますよ。
筆者が授業で受けた、京都の仏像めぐりの様子はこちらに。
手前味噌ですが、鑑賞のお役に立つとご好評頂いております。
みなさまが仏像を楽しんでくれますように!